真理は単純にして平凡である。

心に残った一文を書き留めていきます。すこしずつ、ひとつずつ、ささやかに。

まことに彼は我々の病を負い

彼は醜く、威厳もない。みじめで、みすぼらしい

人は彼を蔑み、見すてた

忌み嫌われる者のように、彼は手で顔を覆って人々に侮られる

まことに彼は我々の病を負い

我々の悲しみを担った

 

「深い河」遠藤周作 講談社文庫 339ページ

 

昨日のテーマと同じです。

我々の苦しみを解放してくれる「聖者」とは、外見はみじめなものなんですよ。

寒山拾得のお話もそうですね。

講談社文庫版の解説の最後にはこうあります。

 

『深い河』に対して、正統カトリックがどういう解釈、評価を加えたのかは、当方は知らないが、この終始ぶざまでいわば泥にまみれた聖者、大津のイメージが、当方をふくめて、数多い現代読者の心にしかと忘れ難く刻印されるだろうことは、疑いの余地がないのだ。七十代の遠藤さんの輝かしい達成、霊的な勝利を讃えよう。